
段ボールでカブトムシやバッタなどを作るとき、どのようなところに注目していますか。
角の大きさや羽の形だけでなく、足の本数や体とのつながりも確かめてみましょう。
工作を通して、昆虫の体のつくりに目を向けることができます。
「足は何本あるのかな」「この足は、体のどこについているのかな」と問いかけながら、図鑑や写真と作品を見比べてみてください。
この記事では、段ボールの昆虫工作を題材に、昆虫の体の基本と工作の選び方を紹介します。
さらに、組み立てながら確かめたいことや、親子での声かけ、記録の方法も説明します。
特定の商品の作り方ではなく、さまざまな工作に取り入れられる観察のポイントをまとめました。
なお、体のつくりについては、基本的に成虫になった昆虫を対象としています。
段ボールの昆虫工作を、体のつくりを知るきっかけにしよう
パーツを組み立てながら、体の各部分に注目する
完成した昆虫の模型を見ると、まず全体の形が目に入ります。
一方、工作の途中では、足や羽などを取りつける場面ごとに、それぞれの部分へ目を向けられます。
足のパーツを並べるときには本数を、羽を取りつけるときには位置を確認しましょう。
このように、作業と観察を結びつけてみてください。
すべての部分を一度に覚える必要はありません。
まずは「足を数える」「足のつけ根を探す」など、一つのテーマを決めるだけでも取り組みやすくなります。
図鑑や写真と見比べて、形やつながりを確かめる
工作の説明書は組み立て方を確認する資料、図鑑は本物の昆虫の特徴を調べる資料として使い分けます。
説明書を見て取りつけ位置が分かったら、図鑑でも同じ部分を探してみてください。
「作品ではここに差し込むけれど、本物ではどうつながっているのだろう」と考えると、組み立てる作業に観察の目的が生まれます。
写真だけでは、体の境目が分かりにくい場合もあります。
各部の名称や、足のつく位置を示した解説図があると、親子で確認しやすくなります。
身近な昆虫への興味を、観察へつなげる

工作が完成したら、同じ昆虫の写真や映像を探したり、身近な場所で姿を見つけたりしてみましょう。
「作った昆虫は、どのように歩くのだろう」「羽を閉じると、どんな形になるのだろう」と考えながら、作品を手元に置いて本物の姿を調べる方法もあります。
生きた昆虫に触れるのが苦手な子どもは、無理に捕まえなくても大丈夫です。
図鑑や写真から始め、その子が興味を持った部分を一緒に見ていきましょう。
作る前に知っておきたい、昆虫の体の基本
昆虫の体のつくりは、小学3年生の理科で扱います。
文部科学省の学習指導要領解説では、複数の昆虫を比較しながら、体の各部分や足などの特徴を調べる学習が示されています。
参考:文部科学省『小学校学習指導要領解説 理科編』本文41〜42ページ
ここでは、工作を始める前に押さえておきたい基本を確認します。
体は「頭・胸・腹」の3つの部分からできている
昆虫の成虫の体は、前から、頭(あたま)・胸(むね)・腹(はら)の3つの部分に分かれます。
ただし、頭・胸・腹が、同じ大きさの3つのかたまりとして並んでいるわけではありません。
種類によって形や大きさの割合が異なり、背中側から見ただけでは境目を判断しにくい昆虫もいます。
段ボール工作では、頭・胸・腹の3つの部分と、組み立てに使うパーツの数が一致するとは限りません。
1つのパーツで複数の部分を表すこともあれば、1つの部分を複数のパーツで作ることもあります。
6本の足は、すべて胸についている
昆虫の成虫の足は、基本的に左右3本ずつ、合計6本です。
この6本は、すべて胸についています。
ここで確かめたいのは、足の本数だけでなく、つけ根の位置です。
前の足が頭に、後ろの足が腹についているわけではありません。
倉敷市立自然史博物館の教材でも、6本すべてが胸についていることが示されています。
長い足が腹の横まで伸びていても、先端の位置だけでは、どこから生えているのか分かりません。
図鑑の写真や解説図で、足の先からつけ根までたどってみましょう。
頭には目・口・触角がある
多くの昆虫の頭には、目、口、触角があります。
ただし、形や発達の程度は種類によって異なります。
触角は、頭から伸びる細い部分です。
昆虫の種類によって、形や目立ち方が異なります。
工作では、目を描いたり、触角を別の材料で表したりすることがあります。
そのときも、本物の写真で「どのあたりについているのか」を確かめてみてください。
小さな模型では、口などが省略される場合もあります。
「作品には見当たらないけれど、本物にはある部分」を探すことも、見比べ方の一つです。
羽がある昆虫は、羽も胸についている

羽を持つ昆虫では、羽も胸についています。
長い羽が腹を覆っていても、つけ根が腹にあるわけではありません。
頭・胸・腹と、それぞれの部分についているものを対応させて見ることが大切です。
参考:文部科学省『小学校学習指導要領解説 理科編』本文41ページ
また、昆虫には羽が4枚あるもののほか、2枚のものや、羽を持たないものもいます。
「羽があるから昆虫」「羽がないから昆虫ではない」とは判断できません。
なお、幼虫は成虫と姿が大きく異なる場合があります。
図鑑を開くときは、今見ているのが幼虫なのか成虫なのかも確認しましょう。
昆虫の体を観察しやすい段ボール工作を選ぼう

子どもが興味を持った昆虫を題材にする
最初の題材は、「好き」「作ってみたい」と思える昆虫から選んでみましょう。
公園で見つけた昆虫、図鑑で気になった昆虫、以前飼ったことのある昆虫など、題材を選ぶきっかけはさまざまです。
「どうしてこの昆虫を作りたいの?」と聞くと、その子が注目している部分も分かります。
角や羽など、好きな特徴を入り口にして、「足はどうなっているかな」と観察する範囲を広げていきます。
足の本数や体とのつながりを確認できるものを選ぶ
体のつくりを学ぶ目的なら、完成写真や説明書で、足や羽の位置を確認できるか見ておきましょう。
足が飾りに隠れていたり、体の輪郭と一体になって数えにくかったりする作品では、本物の体のどの部分に当たるのかを示す補足説明が必要になります。
上からの写真だけで分からない場合は、横や裏側の写真も確認します。
ただし、模型には、組み立てやすさや強度を優先して簡略化された表現もあります。
図鑑と比べることで、つくりがどのように簡略化されているかを確かめられます。
大切なのは、模型の形をそのまま本物の構造だと思い込まないことです。
パーツの細かさと、必要な作業を確認する
工作キットを選ぶ際は、対象年齢の表示に加え、実際に行う作業も確認します。
見るポイントは、パーツを台紙から外すだけでよいのか、刃物で切る必要があるのか、細い差し込み口を扱うのか、接着剤を使うのか、といった点です。
切る作業に慣れていない子どもなら、大人が難しい部分を準備し、本人は組み立てや観察に取り組む方法もあります。
「全部を一人で作ること」を条件にせず、今回はどの作業を楽しむのか決めましょう。
工作キットと、身近な段ボールを使った自作を使い分ける
工作キットを使う場合と自作する場合では、必要な準備や工夫の仕方が異なります。
| 作り方 | 取り入れやすい活動の例 | 事前に確認しておきたいこと |
|---|---|---|
| 市販の段ボール工作キット | 説明書を見ながら組み立て、各パーツを本物の体の部分と照らし合わせて確認する | 対象年齢、必要な道具、難しい工程、模型で省略されている部分 |
| 身近な段ボールを使った自作 | 図鑑を参考にして形や大きさを考え、足や羽の取りつけ方を工夫する | 段ボールの厚さ、切りやすさ、接合方法、大人が担当する作業 |
自作する場合は、最初から立体で自立する作品を目指さず、体や足を平面に並べて、位置を考えるところから始めてもよいでしょう。
使い終わった箱を材料にするなら、汚れや傷み、大きな留め金などがないか、大人が確認します。
作業前には、後半にある「段ボール工作を安全に楽しむための注意点」も確認してください。
体のつくりを確かめながら組み立てよう
作る前に、図鑑や写真で全体の姿を見る
まず、作る昆虫の成虫が載っているページを開き、全体の姿を見ます。
頭はどちら側にあるか、足や羽はどこに見えるか、体のどの部分が長いかなど、気づいたことを親子で話してみましょう。
ここで、各部分の細かな名称をすべて覚える必要はありません。

「足が全部見える写真はあるかな」と考えながら、別の角度から撮った写真を探すのも一つの方法です。
写っていない部分は想像だけで決めず、解説図やほかの資料で確かめます。
パーツが体のどの部分に当たるか考える
説明書に従ってパーツを確認しながら、「これは本物のどの部分に当たるのかな」と考えます。
足のように見えるパーツでも、左右の足が一つのパーツとしてつながっている場合があります。
反対に、一つの足を複数のパーツで表すこともあります。
そのため、材料の枚数を数えるだけでは、足の本数を確認したことにはなりません。
また、作品を支える台座や補強材は、本物の体の一部ではありません。
組み立てに必要な部分と、昆虫の体を表している部分を分けて見てみましょう。
足の本数だけでなく、つけ根の位置を確かめる
足を取り付けるときは、左右それぞれの本数を確認したうえで、図鑑で足のつけ根を探します。
特にカブトムシでは、背中側から見える境目だけを頼りにして、胸と腹の境界を判断しないようにしましょう。
背中から目立って見える前胸だけが、胸全体ではありません。
胸の一部は前ばねに覆われているため、外からは分かりにくくなっています。

啓林館の授業実践でも、見た目だけで判断すると誤解が生じることや、足のつく位置に着目することの重要性が説明されています。
作品と本物のつけ根の位置が違って見えても、すぐに「作り間違い」と決める必要はありません。
説明書と図鑑をそれぞれ確認し、模型の構造による違いかどうかを考えましょう。
必要であれば、無理に改造せず、違いを記録しておく方法もあります。
完成したら、上・横・下から見比べる

接着剤を使った場合は、十分に固まってから作品をいろいろな方向から見てみましょう。
細い足や羽を持って回さず、丈夫な部分や台座を支えて動かします。
| 見る方向 | 確かめたいこと |
|---|---|
| 上から | 全体の輪郭、左右の広がり、羽の重なり方 |
| 横から | 体の厚み、足が曲がる位置、羽と体の位置関係 |
| 下から | 左右の足の本数、足と体の接合部、上からは隠れていた部分 |
この表は、作品を観察するための目安です。
模型の差し込み口や接着位置が、本物の関節やつけ根を正確に示しているとは限りません。
発見したことは、最後に図鑑の写真や解説図と照らし合わせて確認しましょう。
ほかの昆虫と比べて、共通点と違いを見つける
見た目が違っていても、体の基本的なつくりを比べる
一種類の昆虫を作ったら、別の昆虫とも見比べてみましょう。
作品を何個も用意しなくても、図鑑の別のページや写真があれば取り組めます。
例えば、カブトムシの作品とバッタの写真を並べ、それぞれの頭・胸・腹や、足のつけ根を探します。
色や輪郭が違っていても、同じ観点で比べると共通点を整理できます。
「似ているところを1つ」「違うところを1つ」と決めて探すと、どこを見ればよいか迷っている子どもも参加しやすくなります。
足・羽・触角の形に注目する

昆虫に共通する基本的なつくりが分かったら、各部分の形や大きさにも目を向けます。
例えば、次のような特徴を比べられます。
| 昆虫の例 | 本物で注目したい特徴 | 工作と比べるポイント |
|---|---|---|
| カブトムシ | 硬い前ばねの下に、後ろばねを折りたたんで収めている | 作品では、前ばねと後ろばねの両方を表しているか |
| トノサマバッタ | 後ろ足が長く、根元に近い部分が太い | 前・中・後ろの足で、長さや太さを作り分けているか |
| シオカラトンボ | 羽が透明である | 段ボールでは表しにくい透明な様子を、写真と比べて確かめられるか |
カブトムシの羽については、神奈川県立生命の星・地球博物館「ジャンボブック」が参考になります。
足や羽の特徴については、教育出版の「トノサマバッタ」や「シオカラトンボ」が参考になります。
触角も、長さや形を比べる題材になります。
細かい部分を段ボールで再現できなくても、図鑑で見つけた特徴をスケッチし、作品のそばに置く方法があります。
クモやダンゴムシとの違いも調べてみる
身近で見かけるクモやダンゴムシも、日常会話では「虫」と呼ばれます。
しかし、分類上は昆虫に含まれません。
比べる際は、「小さいから」「地面を歩くから」といった印象だけで考えず、図鑑で足の本数や体の分かれ方を確認します。
写真では足が重なって見えないこともあるため、1枚の写真で数えられなければ、別の資料も見てみましょう。
確認できないからといって、その部分が「ない」と判断しないことも、観察では大切です。
子どもの気づきを引き出す、親の声かけ
「足は何本ある?」から「どこについている?」へ
最初は、子どもが作品を見ながら答えられる問いから始めます。
「こっち側に足はいくつあるかな」「反対側にも同じ数があるかな」と確かめたら、「その足はどこにつながっている?」と、つけ根へ目を向けてみましょう。
本数を答えて終わるのではなく、数えた足を指で示してもらいましょう。
親子が同じ場所を見ながら話せます。
ただし、細いパーツを強く引っ張らないように気をつけてください。
「図鑑と同じところ、違うところはある?」
作品の完成度を評価する前に、子どもが何を見つけたのか聞いてみます。
「羽の形が似ている」「本物の足はもっと細い」など、気づきはさまざまです。
答えが出にくいときは、「羽の形はどうかな」のように、1つの部分に絞ります。
違いが見つかっても、すぐに作品を直す必要はありません。
「段ボールだと細く切るのが難しかったんだね」と、制作上の事情についても聞いてみましょう。
そのうえで、本物の特徴と表現の工夫を分けて話します。
分からない部分は、一緒に調べる
親も、昆虫の細かなつくりまで知っている必要はありません。
分からないことがあったら、「どの写真なら見えるかな」「名前が書いてある図を探そう」と、一緒に確かめます。
子どもが思いついたことも、「そうかもしれないね。どうしたら確かめられるかな」と調べるきっかけにできます。
実際に見て分かったことと、まだ想像していることを区別しておくと、後で振り返りやすくなります。

ただし、質問を続けすぎると工作の手が止まってしまいます。
子どもが組み立てに集中しているときは見守り、一区切りついたところで話しかけましょう。
工作の工夫と、昆虫の体について発見したことを聞く
「どこを工夫して作ったの?」と「昆虫について何が分かったの?」は、少し違う問いです。
前者の問いには、「足が折れないように太くした」といった答えが考えられます。
後者の問いには、「本物の足は、すべて胸についている」といった答えが考えられます。
両方を聞くことで、制作の工夫と観察の内容をそれぞれ振り返れます。
色や模様を自由に楽しんだ場合も、その表現を大切にしましょう。
本物に近づけた部分と、自分で考えた部分を説明できれば、創作と観察を一緒に楽しめます。
完成した作品を観察記録や自由研究につなげよう
作る前に疑問に思ったことを記録する
自由研究としてまとめる場合は、作り始める前に疑問を一つ書いておきます。
「カブトムシの足は、どこについているのだろう」「図鑑に載っている昆虫の羽と、キットの羽は同じだろうか」など、今回の工作で確かめたいことで構いません。
文字で書くのが難しければ、簡単な絵にしたり、子どもの言葉を大人が書き留めたりする方法もあります。
作品の写真と、調べて分かったことをまとめる

完成写真だけでなく、組み立てる前のパーツや、足を取り付けている途中の状態も撮っておくと、どのように確かめたのかを説明できます。
記録には、次のような項目を用意すると整理しやすくなります。
| 記録する項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 調べた昆虫 | 昆虫の名前と、成虫・幼虫のどちらを調べたのか |
| 最初の疑問 | 工作を始める前に確かめたいと思ったこと |
| 工作で確かめたこと | 完成した作品で確認した足の本数や、各パーツの取り付け位置など |
| 資料で分かったこと | 図鑑の解説で確認した、本物の体の特徴 |
| 共通点と違い | 作品で表せた特徴や、省略されていた部分など |
| 次に調べたいこと | 工作の後に生まれた新しい疑問 |
これは記録項目の例です。
実際に見ていないことや調べていないことまで、無理に埋める必要はありません。
「今回は分からなかった」と記録しておいても大丈夫です。
本物との共通点や違いを記録する
「作品ではこうなっていた」「図鑑ではこう説明されていた」と分けて書くと、何をもとに考えたのかが伝わります。
例えば、模型に細かな口の表現がなかった場合、作品だけを見て「口はない」とまとめると、本物についての説明と食い違います。
「作品では口が省略されていた。図鑑では、頭に口があることを確認した」と、比べた内容を書きましょう。
使った図鑑は、書名やページ、ウェブサイトのページ名・URL・閲覧日も記録しておくと、後から確かめ直せます。
次に観察したいことを考える
最後に、「まだ分からないこと」や「別の昆虫でも確かめたいこと」を一つ残します。
「歩くとき、6本の足はどのように動くのだろう」「羽を開いた姿も作れるだろうか」など、新しい疑問が見つかるかもしれません。
次の工作につなげても、映像や図鑑で調べても構いません。
作品の完成を一区切りにしつつ、興味が続く範囲で取り組みましょう。
段ボール工作を安全に楽しむための注意点
切る作業の難しさに合わせて、大人が補助する
同じ段ボールでも、厚さや硬さ、切る形によって作業の難しさは変わります。
細い触角や曲がった足、小さな差し込み口などの加工は、子どもの様子を見ながら大人が担当します。
補助するときは、子どもが刃物を動かしている途中に手を出さず、いったん道具を置いてから交代しましょう。
大人が切る作業と、子どもが組み立てる作業を分けておく方法もあります。
力を入れても切れない、材料が動いてしまう、疲れて手元に集中できないといった場合は、作業を止めて方法を見直します。
刃物や接着剤は、使用方法を確認する

カッターを使う場合は、安定した机にカッターマットを敷き、刃が進む先に手を置かないようにします。
刃を必要以上に出さず、無理な力で一度に切ろうとしないでください。
使わないときは刃を収納します。
参考:オルファ「親子で一緒に!はじめてのカッター使い方講座」
子ども用の道具でも、使い方の確認と見守りは必要です。
刃の交換や廃棄は大人が行い、使用する製品の説明に従ってください。
接着剤は、紙や段ボールに使えるものを選び、使用量や固まるまでの時間、換気などの注意表示を確認します。
学校用の水性接着剤でも、換気などの注意事項が示されている製品があります。
「水性だから注意しなくてもよい」と考えず、表示に沿って使いましょう。
小さな部品や切れ端を整理する
使う部品は浅い箱やトレーにまとめ、切れ端とは置き場所を分けます。
床に落ちたものも、その都度片づけましょう。
小さなきょうだいがいる家庭では、部品や接着剤、道具に手が届かない作業場所を用意します。
工作を中断するときも、机の上をそのままにせず、材料と道具を片づけます。
再利用する段ボールは、針や留め金が残っていないことを大人が確かめ、汚れや傷みのある部分は避けて使ってください。
屋外で観察するときは、生き物と周囲の環境に配慮する
実物を探すときは、危険な場所に入らず、知らない生き物をむやみに触らないようにします。
施設や観察場所のルールを守り、捕まえなくても見られる場合は、その場で姿や動きを観察しましょう。
文部科学省の学習指導要領解説でも、野外活動では毒を持つ生物や事故に注意すること、生物の採取を必要最小限にとどめることなど、環境への配慮が示されています。
参考:文部科学省『小学校学習指導要領解説 理科編』本文42ページ
足や羽のつけ根を見たい場合でも、生きた昆虫の体を無理に引っ張ったり、羽を開いたりする必要はありません。
見えない部分は、図鑑や拡大写真を使って確認します。
まとめ|作って確かめたことを、身近な昆虫の観察へ
段ボールの昆虫工作では、形を作る楽しさに加えて、体の各部分を見比べる時間も取り入れられます。
まずは、頭・胸・腹を確かめ、6本の足がどこについているかに注目してみましょう。
羽や触角の形、別の昆虫との違いへと目を向ければ、さらに調べたいことも見つかります。
模型には、作りやすさのために省略された部分や、本物とは異なるつなぎ方もあります。
その違いも、図鑑と見比べる題材になります。
大切なのは、完成の早さや見栄えだけでなく、子どもが何に気づいたのかを一緒に確かめることです。
自分で作った昆虫をきっかけに、身近な小さな生き物へ目を向けてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』:本文41〜42ページ。昆虫の体の基本、小学3年生の学習内容、野外観察の配慮。
- 倉敷市立自然史博物館「昆虫1問目」:足が胸につくこと、昆虫に含まれない身近な生き物。
- 三春町民図書館「昆虫の体」:昆虫の基本的な特徴と羽の枚数。
- 啓林館「第3学年『身の回りの生物』における授業提案―自作教材を活用し、主体的な学びを促す―」:カブトムシなどの胸と腹を、背中側の見た目だけで判断しないための留意点。
- 神奈川県立生命の星・地球博物館「ジャンボブック」:カブトムシの仲間の前ばねと後ろばね。
- 教育出版「こん虫ずかん:トノサマバッタ」:後ろ足の形の特徴。
- 教育出版「こん虫ずかん:シオカラトンボ」:成虫の羽の特徴。
- オルファ「親子で一緒に! はじめてのカッター使い方講座」:カッターの使用時の注意。
- セメダイン「学校用速乾」:紙工作に使う接着剤の注意表示の例。
